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ヒルシュ、類縁疾患という病気について



・ヒルシュスプルング病
 一言で言えば、「ウンチが出来ない病気」です。と言っても、肛門が閉じているわけでもなく、腸のどこかが塞がっているわけでもありません。生まれつき、腸を動かす神経がある場所で途切れてしまっ ているため、 そこより先にウンチを送りだすことが出来ないのです。
神経がない部分は全く動かないので、一般に言う「便秘」とは異なり、ガスも出すことが出来ません。したがって、お腹はたまったウンチとガス でカエルのお腹のようにパンパンになります。(これが腸閉塞の状態)
お腹が張ってしまうので、ミルクを 飲むことも出来ず、胆汁の混じったものを吐いたりします。
腸閉塞胆汁の混じった嘔吐、新生児期にこの2つの症状が現われると、典型的なヒルシュスプルング病と言うことになります。
浣腸や下剤を使ってもウンチが出ない(完全に出しきれず、残りが腸に溜まってしまう場合も含めて)場合、人工肛門を作って、ウンチが出るようにし、ミルクが飲めるようにする処置が行われます。
多くの場合、神経の無い病変部は肛門から数cm〜10数cmの、直腸からS状結腸あたりに限られるようです。
 神経のない部分は、ある程度成長して体力がついてから切除し、神経のある部分を肛門の近くにつなぐ
手術(これを根治手術と言います)を行なうことになります。根治手術の時期は、症状(神経がない部分の長さ)にもよりますが、少し前までは、多くが生後6カ月〜1才半ぐらいの間に行われていました。最近では、技術の進歩などもあって、 症状が軽い場合には生後数週間の新生児でも根治手術を行なうことが出来るようです。様々な分野の手術で使われている腹腔鏡下手術の技術も応用されています。これは、お腹を開ける事無く手術が行なえるため、患児への体の負担が少ないため、比較的低い月齢での手術が可能になったのです。
 手術後は、それまで正しく使われていなかった肛門や腸にリハビリをしなければなりません。便秘の治療と同じく、浣腸や排便を促す坐薬などで排便習慣を付けていくことになります。
そのようなリハビリに加えて、神経のない部分を切り取ってしまっているため、その分腸が短くなっており、下痢や腸炎になりやすかったりしますので、注意も必要です。



・ヒルシュスプルング病類縁疾患
 ヒルシュスプルング病は、腸を動かす神経が一部で欠けているためにウンチを肛門まで送り出せない のですが、この、ヒルシュスプルング病類縁疾患というのは、腸を動かす神経はあるものの、何らかの 理由でウンチを送りだすことが出来ない病気の総称です。
大きく分けて、
 1)神経はあるが、神経細胞の数が少なかったり、細胞が未熟で充分に働かないため、ウンチが出来ない
 2)神経細胞に外見上の異常はないが、ウンチを送りだすことが出来ず、腸閉塞に近い状態が続く
という2種類に分けることが出来ます。
 病名としては、神経細胞の低形成、乏神経節、慢性偽性腸閉塞等々、英語などからの翻訳でもあるせいか、むずかしい名前です。治療法はヒルシュに準じる場合が多いのですが、切除する範囲を決めるため 慎重な経過観察が必要になることもあり、根治手術まで多少時間がかかることもあります。
 ここでは病名をいろいろ挙げるより、どのような病気か理解していただきたいと思っているので、この
くらいにしておきます。個々の疾患名や症状については、他のコーナーでフォローしていきたいと思います。



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